産科・母子保健分野でリスキルが求められる背景
産科・母子保健分野の変化
産科・新生児医療の進歩,母子保健法・育児介護休業法などの法改正と新たな施策,社会の複雑化で求められる新スキル・技術の必要性
DX等推進
少子高齢化を背景とした医療の地域格差,デジタル化の遅れ
新型コロナの感染拡大によるICTを活用したオンライン講座,オンライン相談の普及
女性活躍
妊娠期・育児期の女性の健康の維持・向上
妊娠期・育児期の男女のワークライフバランス支援
病院・診療所以外での助産師などの活躍の場の拡大とキャリアプランニング能力の必要性
地方創生
妊娠期から育児期の切れ目ない支援による安心して出産や育児ができる社会
事業の目的・概要
「助産師・保健師のリスキルプログラム」(以下、本事業とする)は、佐賀県の病院および市町で活動している助産師・保健師を対象に、地域における妊娠期から出産・子育て期にわたる切れ目ない支援を提供できる助産師・保健師のリスキリングを目的としました。
妊娠期から出産・子育て期にわたる切れ目ない支援を実現するためには、産科医療、DX等推進、女性活躍、地方創生において多くの課題があります。例えば、医療分野では、産科・新生児医療の進歩、母子保健法などの改正や新施策が相次いで打ち出され、社会の複雑化も加わり、助産師や保健師には新たなスキルが求められています。また、臨床や地域では助産師不足と就業先偏在の是正は遅々として進まず、職場内外での異動等、人材流動性を促進する必要もあります。さらに、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援では、病院・診療所と子育て包括ケアセンターの連携が課題となっています。DX等の推進分野では、少子高齢化を背景にした医療の地域格差、デジタル化の遅れがみられ、新型コロナ感染拡大によるICT を活用したオンラインでの講座や相談の普及に必要な知識やスキルが求められています。女性活躍分野では、妊娠・出産・子育て期の女性の健康の維持・向上が鍵となりますが、コロナ禍で妊娠期の合併症や産後うつ等の増加はむしろ深刻化しており、これらに対応できる能力を高めることが求められます。勤労妊婦の増加から企業などと連携して妊娠・子育て期の男女のワークライフバランス支援を行う能力が求められます。また、社会情勢の変化により、病院・診療所以外での助産師の活躍の場の拡大とキャリアプランニング能力を高める必要性が増しています。地方創生分野では、妊娠期から子育て期の切れ目ない支援が行われ、安心して出産や育児ができる社会が実現できれば、市民が心身ともに健康で、いきいき暮らせるまちづくりに繋がると思われます。これは、佐賀県だけの課題ではなく、全国に共通する課題です。
そこで、本事業では、図1で示すように産官学連携体制で地域における妊娠期から出産・子育て期にわたる切れ目ない支援を提供できる助産師・保健師のリスキルを目指しました。
本年度の取組みの年間実績は図2に示した通りです。新型コロナ感染の第7波で受講生募集を開始したことが影響し、予定していた受講者の確保が困難でした。終了は、第8波のピークアウトに重なりました。計画では部分受講を2期に分けて実施する予定でしたが、3期に増やして対応しました。
詳細は、報告書をご覧ください。