プレスリリースを行いました。
2021年6月28日(月)13:30からプレスリリースを行いました。
新型コロナウィルス感染症拡大を避けるため、オンラインで実施しました。
説明内容は以下の通りです。
プレスリリースの内容
ただいまご紹介に預かりました佐賀大学医学部看護学科の佐藤と申します。
この度、私たちが提案しておりました「産科・地域母子保健分野の助産師不足・偏在を解決するための潜在助産師のリカレント教育プログラムの開発・実施」が令和2年度就職転職支援のための大学リカレント教育推進事業に採択されましたので、概要をご紹介させていただきます。
なお、本日の説明において事業名は「助産師リカレント事業」と省略させていただきます。
令和2年度文部科学省就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業
まず、文科省から提示されました事業の目的等について説明します。
このコロナ禍の中で雇用構造の転換が進展する中、新たな能力を身につけ自己のキャリアアップにつなげるために非正規雇用労働者、失業者への支援が必要ということで公募されました。
その中で佐賀大学としては、「地域の実情に応じたコース」に応募しました。
それでは、その詳細について説明させていただきます。
佐賀県の妊娠〜子育てをめぐる現状
まず、地域の実情の背景です。
佐賀県の妊娠から子育てをめぐる現状についてお話させて頂きます。
産科医偏在指標は全国でワースト4位です。
少子化の進展の中で、分娩取り扱い機関の空白地域なども生まれております。
これがコロナ禍で加速することが心配されています。
また、妊産婦の方では身体・社会、心理的にハイリスクな妊婦および手厚いケアを必要とする母子が増加してきています。
さらに、妊婦の7割から8割は働いており、妊娠中、または妊娠を希望する女性就業者の健康管理の重要性が高まっています。
これらのことから医療の高度化、複雑化、多様化に対応できる助産師の活躍が期待されています。
佐賀県の助産師の状況
佐賀県の状況をみてみますと、人口10万対の助産師の割合で、全国平均の29.2を超えているのは、中部医療圏のみで、東部、北部、西部医療圏は大きく下回っており、助産師不足は深刻な問題となっています。
また、佐賀県の出生場所は診療所が75%で、一方助産師数は病院に57%と偏在しています。
さらに従事期間が1年未満の助産師31人のうち20名が再就職・転職という問題も起こっております。
そして、助産師会の入会率は28.9%、更新研修を受けてない人が多いという問題もあり、助産師不足と助産師偏在の解消が喫緊の課題となっています。
佐賀県助産師リカレント教育事業
これに対して「佐賀県助産師リカレント教育事業」は、「転職休職を希望している人」、「無職、退職後の助産師」、「非正規雇用の人」、それから「定年退職前後の助産師」、そして「看護師として働いており助産師として異動希望の人」など、さまざまなニーズに答えて、「病院、助産師コース」、「地域母子保健コース」、「地域知識アップデートコース」などを設けて、将来の就職、転職、異動を柔軟にして
佐賀県の母子周産期医療・地域母子保健の活性化をしたいと思っております。
実施委員会
助産師リカレント教育事業の実施委員会は、佐賀大学を中心に佐賀県、佐賀労働局・ハローワーク、佐賀県産婦人科医会、佐賀県助産師会、佐賀県医療センター好生館看護学院等なども含まれています。各機関の役割は図をご参照ください。
事業スケジュール(案)
こちらが事業スケジュール案です。
文部科学省の補助事業としては、2022年2月までの事業となっております。
ホームページ
佐賀県助産師リカレント教育事業関連のホームページについて説明させていただきます。
まだ採択されて間がないので、提供している情報は少ないですが、徐々に充実させていきたいと考えています。
事業概要、全体構想、事業の進捗等について紹介するページに加え、受講者の学びを支援する学習管理システムも運用します。
対面やオンラインでの講義実施後には、オンデマンド教材としていつでも学べる環境も提供します。
文部科学省との契約締結がすんでおりませんので、まだ募集を開始していませんが、事業のwebサイトで簡単な手続きで申し込みできるよう準備を整えています。
以上で説明を終わります。
質疑応答
(質問1)
募集はいつ頃、どのような方法で開始予定ですか?開始の際は改めてプレスリリースしますか?
(回答1)
文部科学省との契約手続きが完了次第、募集を開始したいと思います。
遅くとも7月半ばまでには開始したいと考えています。募集を開始したら皆様に改めてお知らせいたします。
(質問2)
佐賀県に何人ぐらいの潜在助産師がいて、そのうち何人を職場復帰につなげるというような数値目標はありますか?
(回答2)
潜在助産師の数を確定するのは非常に難しくて、よく把握できていないのですが、だいたい年間30名ぐらいが就職されても、そのうち20名の方が異動されたりしていますので、かなりいらっしゃるのではないかと思います。中には看護師免許で働いたり、あの保健師の免許も持っておられて、そちらで働いておられるかたもいます。
潜在助産師さんの数をどれくらい正確に把握できるかというのは、この事業の中でも重要なポイントにもなってくると思います。
これらをふまえた上で、病院助産師のコースは5名程度、地域母子保健の分野で活躍して頂く方が10名程度と考えています。